火曜日担当のH本です。隣の班長机が日に日に汚くなってきています。漫画とかSF小説とか純文学の小説とか、あやしげなDVDとかあやしげな本とかが山積みです。少年漫画誌の班長なのに!!
ところで、先日『世界の終わりの魔法使い』や『ディエンビエンフー』の西島大介先生とお会いしてきました。そして、10月号の「空が分裂する」の挿絵をいただきました。素晴らしい絵で、デザインもバッチリ決まっていると思いますので、是非とも次号をお楽しみに!!
最果タヒ先生の詩に、毎号いろいろな漫画家さんやイラストレーターさんに挿絵をお願いするこの連載も、これでめでたく13回目を迎えます。いつも「挿絵」と書いていますが、いつの頃からかイラストをお願いさせていただくときに、「挿絵」という言葉は使わなくなりました。むしろ「挿絵ではなく、イメージをお願いします」とよくわからない言い回しをするようになりました。
僕の勝手な感想ですが、最果先生の詩は、なんだか空間的だと思っています。綺麗な言葉を切り出して、それを紙の上にぶちまけたような、それが地図になっていくような、気がつくと意味を持っているような、そんな不思議な詩です。そこにある「文脈」を精緻にたどるのは、たぶん不可能だし、やる意味もあんまりない。いわゆる小説の挿絵のように、文中のワンシーンを切り抜いて描いていただくことが不可能なのが、「空が分裂する」の楽しくもあり、またイラストを描く方からすれば厄介なところだと思っています。
だから僕は、詩を読んで「感じたこと、見えたこと、抱いたイメージを絵にしていただきたいです」とお願いすることにしました。「詩の内容に寄り添っていただく必要はありません、全体を通した感想を絵にしてください」というような言い方です。端的に言って、作家さんの才能任せの注文です。
西島先生は、それを聞いて「なんだ、そういうことでいいんですか。それなら絵が描けそうです」と微笑んでくださいました。「挿絵って言われたら難しいなと思っていたんです。でも、イメージなら……」。
作家さんは、言葉の人でも絵の人でも、独自の世界観を持っているものだと僕は信じています。普段は、それを自分の作品にして発表するのが「作家」です。でも、たまにはそれをぶつけ合ってみるのはどうでしょう、そうしたら面白い化学反応が起きると思いませんか、というのが、一年くらいこの連載を担当してきた僕の、精一杯の口説き文句です。
僕の机には、今までの連載の全ページをファイルしたものがあります。仕事に疲れると、それをめくります。すると、ちょっと元気が出ます。化学反応はちゃんと毎回起こってるんだなーと、感動します。
10月号にも、とびっきりの化学反応が載ります。ちらっと眺めて、読んでみてください。意外と新しい感覚が芽生えるかもしれません。ていうか、たぶん、芽生えます。